ロジックのスキャンタイムはロジックプログラムを実行するロジック機能部と表示機能部(画面表示、タッチパネル処理、通信処理)が含まれ下図のようになっています。
表示器のスキャンタイムモードには、コンスタントスキャンモードとパーセントスキャンモードがあります。
イーサネット通信やMPI通信を行うと、スキャンタイムに影響します。詳細については以下を参照してください。
30.16.1 スキャンタイムの遅延について
スキャンタイムには誤差が含まれます。
接続機器アドレスの更新は、アドレスリフレッシュに依存し、コンスタントスキャンやパーセントスキャンの値には影響されません。
アドレスリフレッシュの詳細については、30.14.3.3 アドレスリフレッシュを参照してください。
LT4000シリーズでは、ロジックタイムはCANopenの通信負荷の影響を受けます。よってCANopenを設定した場合は、CANopenを設定していないときに比べてロジックタイムが長くなります。
スキャンタイムを一定に保ちながら動作するモードです。
一定の周期でロジックプログラムを処理することができます。制御(ロジックプログラム)を優先し、画面は監視(データ表示)が主体で操作に関しては少ないシステムに適しています。
表示処理時間 = コンスタントスキャン設定値(ms) - ロジックタイム
例)コンスタントスキャンを50msと設定し、ロジックタイムの実行時間が20msの場合
表示処理時間 = 50ms - 20ms = 30ms
ロジックタイムが長くなると、表示処理を行う時間は短くなります。したがって、表示器上の表示更新速度は遅くなりますが、ロジックプログラムの処理はコンスタントに行われます。
最小スキャンタイムの設定は10msです。
スキャンの設定は10ms以上、1ms単位で入力してください。
ロジックタイムとコンスタントスキャン設定値の関係が以下の条件になると、スキャンタイムが自動調整されます。
機種 |
スキャンタイムが自動調整される条件 |
スキャンタイムの自動調整例 |
GP-3300シリーズ LT3000シリーズ |
ロジックタイムがコンスタントスキャン設定値の30%を超えると、スキャンタイムはロジックタイムを0.3で割り算した値に自動調整されます。 |
スキャンタイムは100msに自動調整されます。 |
GP-3400シリーズ GP-3500シリーズ GP-3600シリーズ GP-3700シリーズ LT4000シリーズ SP5000シリーズ ST6000シリーズ STM6000シリーズ STC6000シリーズ ET6000シリーズ GPH6000シリーズ |
ロジックタイムがコンスタントスキャン設定値の50%を超えると、スキャンタイムはロジックタイムを0.5で割り算した値に自動調整されます。 |
スキャンタイムは60msに自動調整されます。 |
設定時間の調整は、表示器を試用運転したあと、#L_AvgScanTimeの値を参考に設定してください。
A.2 システム変数
スキャンタイム中にロジックタイムの占める割合(%)を設定し、スキャンタイムを可変させて動作させるモードです。
ロジックタイムの増加による表示処理時間の圧迫を防ぐことができるため、画面の操作スピードや切り替えスピードを優先するシステムに適しています。
スキャンタイム = ロジックタイム / パーセントスキャン設定値(%)
例)パーセントスキャンを40%と設定し、ロジックタイムの実行時間が20msの場合
スキャンタイム = (20 / 40) x 100 = 50ms
表示処理時間 = 50ms - 20ms = 30ms
ロジックタイムが長くなると、表示処理時間も長くなるため、スキャンタイムは長くなります。したがって、ロジックタイムが長くなればなるほど表示処理に割り当てられる時間が長くなるため、表示器上の表示更新速度は速くなりますが、ロジックプログラムの処理周期は遅くなります。
スキャンタイムの値が1ms単位になるようにパーセントスキャンを設定してください。
ロジックプログラムの一命令の処理時間は変化しません。
パーセントスキャン設定値は50%を超えて設定することはできません。
パーセントスキャン設定値を50%にした場合、表示とロジックプログラムの処理は同じ時間になります。このため、表示処理が優先されるわけではありません。
設定手順
設定内容の詳細は設定ガイドを参照してください。
5.4.5 システム設定[本体設定] - [ロジック設定]の設定ガイド
[プロジェクト]メニューの[システム設定]-[本体設定]をクリックし、[ロジック設定]タブを開きます。
[システム設定]から[コンスタントスキャン]または[パーセントスキャン]を選択し、設定値を入力します。