システムに設定できるサンプリンググループ数は最大64個までです。
1回のサンプリングで収集できるデータ数(アドレス数)は、16ビット長の場合は最大512個まで、32ビット長の場合は256個までです。
1つのサンプリンググループには、複数の接続機器アドレスを混在させることはできません。
1つのサンプリンググループに設定できるアドレスは、接続機器1台のアドレス、または内部デバイスアドレスです。ただし[アドレス設定]タブで[データ形式の混在]を設定した場合は、接続機器1台のアドレスと内部デバイスアドレスを混在させることができます。
1つのサンプリンググループに設定できる回数(または回数xブロック数)は、[動作設定]で[サンプリングデータを保持する(SRAM使用)]のチェックの有無*1や、1回にサンプリングするデータ数(アドレス数)や[データ形式の混在]の設定有無、データ形式、動作設定により異なります。
詳細については、以下を参照してください。
25.14.1 サンプリングデータの容量
バックアップメモリ(SRAM)容量が320Kバイトの機種を使用した場合、保存できるサンプリングデータ数の目安は次のとおりです。
サンプリンググループが1個のみの場合
設定したアドレス数 |
ビット長 : 16ビット |
ビット長 : 32ビット |
1個 |
81,332個分 |
81,332個分 |
16個 |
10,166個分 |
5,082個分 |
64個 |
2,540個分 |
1,270個分 |
256個 |
634個分 |
316個分 |
512個 |
316個分 |
- |
(記載の個数はバックアップメモリ(SRAM)の容量から算出した目安であり、1つのサンプリンググループに実際に設定できる回数は最大65535回までです。)
バックアップメモリ(SRAM)に保存したデータは、次のタイミングで消去されます。
画面転送(プロジェクト送信)の実行時
オフラインモードで[ユーザーメモリの初期化]の実行時
オフラインモードで[バックアップSRAMの初期化]の実行時
指定した[データクリアビットアドレス]をONにしたとき
バックアップメモリ(SRAM)に保存しない場合は、ワークメモリに保存されます。ワークメモリに保存したデータは、上記の他に表示器の電源OFFやリセット時にも消去されます。
表示器の電源投入後、内部プログラムの準備が整い、実際にサンプリングを開始するまでには最大1秒の遅延時間が発生する場合があります。
短周期で大量のデータをサンプリングする設定を行った場合、表示更新や画面切り替えが遅くなるだけでなく、通信サイクルタイム*2が長くなります。この場合、接続機器(PLCなど)からのデータ読み出しが完了する前に次のサンプリングが行われてしまうため、以前のままのデータがその回のサンプリングデータとして扱われます。
実行条件[一定周期]、[ビットON中一定周期]、[ビット変化]は、設定したすべてのアドレスデータを常時読み込んでいるため、サンプリングするアドレス数が多いほどシステム全体で通信に負荷がかかります。
実行条件[一定周期]、[ビットON中一定周期]で、設定した[サンプリング周期]が通信サイクルタイム以上であっても、画面切り替えやスクロール表示を行うことで通信サイクルタイム*2が長くなり[サンプリング周期]を超えることがあります。その場合、接続機器(PLCなど)からデータを読む前にサンプリングするため、以前のままのデータがその回のサンプリングデータとして扱われます。
LT4000シリーズで[サンプリング周期]を100msに設定し大量のデータをサンプリングすると、サンプリング周期が100msよりも長くなります。サンプリングの遅延を防ぐには以下のワード数を目安にし、データの数を調整してください。
ワードアドレスのビット長が16ビットの場合: (グループ数 * アドレス数)が8100ワード以下
ワードアドレスのビット長が32ビットの場合: (グループ数 * アドレス数)が4050ワード以下
ただし、ロジックプログラムなど負荷の大きい処理が発生した場合は、サンプリングのワード数に関係なくサンプリング周期の遅延が発生する可能性があります。
設定した[サンプリング周期]が短い場合(1~2秒や100msなど)、画面切り替えやその他負荷の大きい処理が発生した際には、設定された周期時間にサンプリングができない(間のサンプリングが抜ける)ことがあります。その場合も上記と同様に、以前のままのデータが表示されます。
[アドレス設定]で[ランダム]を選択すると、[連続]を選択した場合よりも接続機器との通信に時間がかかります。
[アドレス設定]で[ランダム]を選択した場合、アドレスにシンボル変数を設定することはできません。ただし[データ形式の混在]を設定した場合は、変数、配列変数、構造体メンバが設定できます。シンボルは設定できません。
実行条件[ビットON]のサンプリンググループを複数作成する場合、[ACKビットアドレス]は異なるアドレスを指定してください。同じアドレスを指定した場合、正常なタイミングでON/OFFの動作ができません。
サンプリング周期の[周期指定]を[アドレス]に設定した場合、指定したアドレスの値は次のタイミングで0クリアされます。
表示器の電源OFFやリセット時
画面転送時(自動転送)
オフラインモードから運転画面への復帰時
0クリアしたくない場合は、内部デバイスのバックアップを実行してください。
5.4.4.3 本体設定[動作設定] – 内部デバイスバックアップ
サンプリング周期の[周期指定]を[アドレス]に設定した場合、アドレスの値が変更されたことを確認してからサンプリング周期が変更されます。そのためサンプリング周期の変更までに遅延が発生する可能性があります。
サンプリングの集計値は、サンプリング表示器に表示する値の計算方法と印字する値の計算方法が異なるため、値が一致しない場合があります。
時刻更新設定を使用して接続機器の時刻を一定周期で表示器へ反映する場合、時刻更新の周期が[サンプリング周期]と重なると、データが正しくサンプリングできない可能性があります。時刻更新の周期と[サンプリング周期]が重ならないように設定してください。
サンプリングデータを外部ストレージにバックアップする場合
[サンプリングデータをバックアップする]にチェックを入れた場合は、[サンプリング周期]x[回数]が5秒以上になるように設定してください。外部ストレージへの保存が1秒未満で発生すると、バックアップファイル(バイナリ形式)のファイル名が重複するため、正しく保存できません。また、複数のサンプリンググループでバックアップを行うなど、保存の発生頻度によっては正しく保存できない場合があります。
バックアップファイル(バイナリ形式)のファイル名は、年月日時分秒までのタイムスタンプに0から9までのインデックス番号を付けた形で自動的に作成されます。そのため同じ時刻に作成できるファイルは10個までとなります。これを超えるとライトエラーとなり新しいファイルは保存できません。
*1 [動作設定]で[サンプリングデータを保持する(SRAM使用)]にチェックを入れるとサンプリングデータをバックアップメモリ(SRAM)に格納、チェックを外すとワークメモリに格納します。サンプリンググループごとに格納先を変更できます。
*2 通信サイクルタイムとは、表示器から接続機器にデータを要求して取り込むまでの時間です。内部デバイスのLS2037にBin形式で格納されます。単位は10msです。
複数の接続機器を使用している場合の各通信サイクルタイムは、[システム設定]-[周辺機器一覧]の[接続機器管理アドレス一覧]に表示される内部デバイスアドレスで確認できます。
5.4.14 システム設定[周辺機器一覧]の設定ガイド