サンプリング動作には、大きく分けて、時間周期で収集する方法とビットの状態によって収集する方法があります。
以下にサンプリングの実行条件とそれぞれの動作の特徴をご紹介します。
時間周期
サンプリングの実行条件 |
特徴 |
時刻指定 指定した時刻になるとサンプリングを開始し、それ以降は指定した周期でデータを収集します。 |
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一定周期*2 表示器の電源投入後から一定の周期でデータを収集します。 |
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ビットON中一定周期*2 指定ビットがONしている間だけ、表示器の電源投入後から一定周期でデータを収集します。 |
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ビット
サンプリングの実行条件 |
特徴 |
ビットON 指定したビットを任意のタイミングでONするたびにデータを収集します。 |
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ビット変化*2 指定したビットを任意のタイミングで変化(ON/OFF)させるたびにデータを収集します。 |
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*1 指定した回数分のサンプリングデータのまとまりを「ブロック」と呼びます。
*2 [一定周期]、[ビットON中一定周期]、[ビット変化]は、設定したすべてのアドレスデータを常時読み込み、実行条件が成立した時点のデータを表示器内に格納します。
表示器の電源投入後、内部プログラムの準備が整い、実際にサンプリングを開始するまでには最大1秒の遅延時間が発生する場合があります。
[一定周期]、[ビットON中一定周期]、[ビット変化]の場合、電源投入後、そのサンプリンググループに設定したすべてのアドレスデータを読み込んでからサンプリング動作が開始されます。
[一定周期]、[ビットON中一定周期]、[ビット変化]は、設定したすべてのアドレスデータを常時読み込んでいるため、サンプリングするアドレス数が多いほどシステム全体で通信に負荷がかかります。
サンプリング動作中に通信エラーが発生した場合のデータの表示状態は、実行条件により異なります。
25.14.4.3 データが収集できなかったときは?
接続機器(PLCなど)の[サンプリング許可ビットアドレス]がONしている状態で、指定した[開始時刻]がくると、表示器は指定したアドレスのデータを読み出します。そのあとは指定した周期で読み出しを行います。
サンプリング周期の時間監視は表示器内部の時計で行われます。
上図は、表示器が指定したアドレスのデータを読み出すタイミングを示すイメージ図です。正確な時間間隔を表したものではありません。
[サンプリング周期]は通信サイクルタイムまたは通信、データ読み出しにかかる時間より長い時間で設定してください。通信サイクルタイムは、表示器の内部デバイス(特殊リレーエリア)のLS2037に格納されています。
開始時刻以降にサンプリング許可ビットアドレスをONした場合、開始時刻以前のデータは読み出しエラーとなります。
25.14.4.3 データが収集できなかったときは?
読み出しエラーは、サンプリングデータがない場合はサンプリング許可ビットアドレスがONしたタイミングで格納されます。
サンプリングデータがある場合はサンプリング許可ビットアドレスがONした次のサンプリングのタイミングで格納されます。
収集したデータにはデータを取得した時刻も付加されます。指定した[開始時刻]と[サンプリング周期]ごとのデータ読み出し開始時の時刻が「時刻データ」となります。
一定周期
表示器本体の電源投入後から指定した一定の周期でデータを読み出します。
サンプリング周期の時間監視は表示器内部の時計で行われます。
上図は表示器が指定したアドレスのデータを読み出すタイミングを示すイメージ図です。正確な時間間隔を表したものではありません。
サンプリング中に時間を変更すると、サンプリング時間に最大1秒の誤差が発生します。
[サンプリング周期]は、接続機器との通信方式がダイレクトアクセス方式の場合は通信サイクルタイムまたは50msのいずれか長いほう、メモリリンク方式の場合は50ms以上で設定してください。通信サイクルタイムは、表示器の内部デバイス(特殊リレーエリア)のLS2037に格納されています。
ビットON中一定周期
接続機器(PLCなど)の[サンプリング起動ビットアドレス]がONの間、指定した一定の周期でデータを読み出します。サンプリング周期の時間監視は表示器内部の時計で行われます。
上図は表示器が指定したアドレスのデータを読み出すタイミングを示すイメージ図です。正確な時間間隔を表したものではありません。
[サンプリング許可ビットアドレス]がONしてから実際にサンプリングを開始するまで、最大1秒の遅延時間が発生する場合があります。
サンプリング中に時間を変更すると、サンプリング時間に最大1秒の誤差が発生します。
[サンプリング周期]は、接続機器との通信方式がダイレクトアクセス方式の場合は通信サイクルタイムまたは50msのいずれか長いほう、メモリリンク方式の場合は50ms以上で設定してください。通信サイクルタイムは、表示器の内部デバイス(特殊リレーエリア)のLS2037に格納されています。
動作の途中で表示器の電源がOFFされる場合を考慮して、運転開始時(電源投入時)に[サンプリング許可ビットアドレス]や[データフルビットアドレス]など、動作設定で設定する各ビットアドレスがすべてOFFの状態になるよう設計してください。
接続機器(PLCなど)の[サンプリング起動ビットアドレス]をONすると、指定したアドレスのデータを表示器へ読み出します。表示器がデータの読み出しを終えると[ACKビットアドレス]がONされます。
接続機器(PLCなど)が[ACKビットアドレス]がONしたことを検出したら、[サンプリング起動ビットアドレス]をOFFしてください。[サンプリング起動ビットアドレス]をOFFすると、[ACKビットアドレス]は自動的にOFFされます。
上図は表示器が指定したアドレスのデータを読み出すタイミングを示すイメージ図です。正確な時間間隔を表したものではありません。
サンプリングを行う前には必ず[ACKビットアドレス]がOFFされているか確認してください。
動作の途中で表示器の電源がOFFされる場合を考慮して、運転開始時(電源投入時)に[サンプリング起動ビットアドレス]や[ACKビットアドレス]など、動作設定で設定する各ビットアドレスがすべてOFFの状態になるよう設計してください。
サンプリングデータに、データを取得した時刻(時刻データ)を付加する場合、時刻データは[サンプリング起動ビットアドレス]のON時の時刻ではなく、データ読み出し完了時の時刻となります。
[サンプリング起動ビットアドレス]は、ON後すぐにOFFすると正常に動作しません。表示器がビット状態(ONまたはOFF)を認識できるまで保持してください。(ダイレクトアクセス方式の場合は通信サイクルタイムまたは50msのいずれか長いほう、メモリリンク方式の場合は50ms以上の時間が必要です。)
ビット変化
接続機器(PLCなど)の[サンプリング起動ビットアドレス]がONまたはOFFすると、指定したアドレスのデータを表示器へ読み出します。
上図は表示器が指定したアドレスのデータを読み出すタイミングを示すイメージ図です。正確な時間間隔を表したものではありません。
動作の途中で表示器の電源がOFFされる場合を考慮して、運転開始時(電源投入時)に[サンプリング起動ビットアドレス]や[データフルビットアドレス]など、動作設定で設定する各ビットアドレスがすべてOFFの状態になるよう設計してください。
[サンプリング起動ビットアドレス]は、ON後すぐにOFFすると正常に動作しません。表示器がビット状態(ONまたはOFF)を認識できるまで保持してください。(ダイレクトアクセス方式の場合は通信サイクルタイムまたは50msのいずれか長いほう、メモリリンク方式の場合は50ms以上の時間が必要です。)