過去データとして表示されるのは、表示器内にあるサンプリングデータおよび外部ストレージ内にバックアップされているサンプリングデータです。(共通設定[サンプリング設定]の[動作設定]タブで[サンプリングデータをバックアップする]を設定しておくと、表示器内のバックアップメモリ(SRAM)がいっぱいになった時点で、バックアップメモリ内のサンプリングデータが外部ストレージにバックアップされます。)
過去データの表示を実際に表示器画面上で操作するには、過去データ操作用のスイッチが必要です。スイッチはヒストリカルトレンドグラフ部品で配置設定できるほか、スイッチランプ部品[特殊スイッチ]を使用することもできます。
過去データ表示機能を使用したヒストリカルトレンドグラフの場合、表示器画面上には下図の点線部を除いた部分が表示されます。過去データ表示用のスイッチをタッチすることで、表示器内に保存されている過去のデータをグラフ表示できるモードに切り替わります。
例)サンプリング設定の回数 : 14、表示データ数 : 6 の場合
過去データ表示モード中に画面切り替えを行った場合、過去データ表示モードは解除されます。
データ番号 / データ値
データ番号とは、最新のサンプリングデータをデータ番号「0」とし、過去のデータ値にさかのぼるごとに「1」「2」「3」... と自動的に割り付けられる番号です。
過去データ表示機能を使用したヒストリカルトレンドグラフを画面に表示した際、表示中のグラフ表示エリア内の最新データ(図中A)と最古データ(図中B)のデータ番号とデータ値が、表示器内部デバイスの特殊エリア(LS9000~)に自動的に格納されます。格納されるデータ番号の範囲は0 ~ 65237までで、データ形式はBinのみです。
(上図で説明のために、A点、B点のデータ番号とデータ値を、データ表示器を使用して表示しています。)
データ番号とデータ値は、過去データ表示モードに切り替わっていない状態であっても格納されます。
画面切り替えが行われた場合、表示器内部デバイス特殊エリア(LS9000 ~ )に格納されたデータはすべてクリアされます。
各データは、入力されたデータ値の1000分率([表示符号 + / -]を指定しているときは-1000 ~ 1000の範囲)の値で格納されます。(表示データに自動換算された値です)例えば、データ表示器でデータ値「200」を「20.0」と表示させたい場合、[小数点桁数]を「1」に設定します。
[グラフ設定]タブの[表示方法]で[表示範囲指定]を選択した場合は、データ値は1000分率の値ではなくサンプリングされた値で格納されます。
読み出しエラーの場合、表示器内部デバイスのデータ値にはFFFF(h)が格納されます。
データ形式をBCDに設定しているときに、サンプリングデータにA~F(h)を含むデータが格納されていた場合、表示器内部デバイスのデータ値には前回の値が格納されます。
サンプリングデータが32ビットの場合、表示器内部デバイスのデータ値には下位16ビットのデータが格納されます。
過去データ表示の動作例
「戻る」スイッチをタッチすると、設定したスクロール数分過去にさかのぼって表示します。
保存されている最古のデータまで表示して、さらに「戻る」スイッチをタッチした場合は「ピッピッピッ」とブザー音が3回鳴り、それ以上スクロールできません。
「進める」スイッチをタッチすると、設定したスクロール数分、最新データに向かってスクロールして表示します。
過去データ表示モードに切り替えた時点の最新データまでスクロールすると何も表示されません。この状態でさらに「進める」スイッチをタッチすると「ピッピッピッ」とブザー音が3 回鳴り、それ以上スクロールできません。
過去データ表示中にサンプリングされたデータが表示されます。
外部ストレージにバックアップしている場合、共通設定[サンプリング設定]の設定内容が異なる他の表示器からバックアップファイルをコピーしても、過去データ表示はできません。
インデックスファイルについて
以下の機種をご使用の場合、サンプリングデータを外部ストレージにバックアップする際に、インデックスファイル「TSAMPINDEX.idx」が自動的に作成されます。
SP5000シリーズ
GP4000シリーズ(GP-410*を除く)
ST6000シリーズ
ET6000シリーズ
STM6000シリーズ
STC6000シリーズ
GPH6000シリーズ
このインデックスファイルには、バックアップしたファイルの情報が書き込まれています。バックアップ時にすでにインデックスファイルがある場合は、新たにバックアップしたファイルの情報が追記されます。既存の情報は更新されません。
過去データを表示する際、インデックスファイルがある場合はその情報をもとに過去データを表示します。インデックスファイルがない場合は表示器が個々のバックアップファイルを参照するため、インデックスファイルがある場合より過去データの表示に時間がかかります。
インデックスファイルを新たに作成する、または他のフォルダや表示器からコピーしたバックアップファイルの情報をインデックスファイルに追加するには、表示器のオフラインでサンプリングインデックスファイルの作成を行ってください。
M.7.3 バックアップしたサンプリングデータを表示器で再表示したい
インデックスファイルは各サンプリンググループのフォルダの直下に1つのみ保存されます。
インデックスファイルは編集できません。
インデックスファイルには、共通設定[サンプリング設定]-[動作設定]タブの[バックアップ回数]で設定した数のファイル情報が書き込まれます。
共通設定[サンプリング設定]の設定を変更した場合、既存のインデックスファイルは削除され、それ以降にバックアップした分から新規のインデックスファイルが作成されます。ただし[バックアップ回数]のみ変更した場合は、インデックスファイルは削除されません。
バックアップファイルを削除したり、他のフォルダや表示器からバックアップファイルをコピーして追加しても、インデックスファイルの情報は更新されません。