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配線工事の際の注意

【 電源の配線 】

1.弊社製品に専用の電源を引き込む方が望ましい。
2.電源の容量は十分に、かつ電源線での電圧降下があまりないように太めの電源線を使用してください。電圧の低下や変動は光源のちらつきや音量の低下を招きます。
 
【 入力信号の配線 】

1.入力信号線は、電源線と配線の引き回しを別にする方が望ましい。
2. また、その配線はできるだけ最短距離で行い、余分な引き回しや高圧ケーブル・交流電源などとの併設は、誤動作の原因となるため避けてください。
3. オープンコレクタ使用時のお客様側の必要耐電圧は、ご使用になる入力電源の電圧によって決まります。

例えば・・・DC型は、電源電圧がDC24Vより上昇しない場合、オープンコレクタの使用最大電圧はDC24V以上の電圧を有するもの。AC型は、トランスを内蔵している為、オープンコレクタの使用最大電圧は各々の機種により異なります。


 
【 お使いになる接点の容量について 】

当社商品は、その制御方法から、大きく分けて1.電源制御タイプ と、2.信号制御タイプ の2種類に分類できます。それぞれについて接続される接点容量は以下のような点に注意して選定していただく必要があります。

1.電源制御タイプ
アローシリーズ回転灯や、アローシリーズ電子音警報器(シングルタイプ)など、外部引出線(端子)が、電源線(端子)のみのものです。これらの制御には、使用される接点容量はご使用される電源電圧に対応できるものであり、かつその商品の消費電流や突入電流に対応できるものである必要があります。
また、積層式LED表示灯などでは、オープンコレクタ対応可となっていますが、その場合も同様にご使用される電源電圧およびその回路に流れる電流に対応できるものである必要があります。
2.信号制御タイプ
外部引き出し線(端子)が、電源と信号線から構成されているタイプについては、基本的には、電源は常にONの状態で、信号線により制御を行います。この場合、信号入力としては、信号線に流れる電流および信号線に加わる電圧に対応できる接点またはオープンコレクタ(オープンコレクタ対応機種)が必要です。なお、AKPなどでは、信号線には電球に供給する電流が流れる構成となっています。このような場合、使用される接点容量は電源電圧に対応でき、かつ電球の突入電流 (※1) (一般的には定常時の電流の約10倍)に対応できるものである必要があります。
(※1) 突入電流
突入電流とは、その回線がONした瞬間に非常に短時間に流れる大電流です。その後、定常電流となります。
回転灯など、電球タイプでは、一般的には突入電流は定常時の約10倍となりますので、制御の際にはそれに対応した接点が必要です。なお、リレー接点などでは、突入電流に対して考慮された、TV定格品なども市販されていますので、選定の際にはご確認されることをお薦めします。


 
【 オープンコレクタ出力 】
最近、色々な制御をP.L.C.(Programable Logic Controller : シーケンサ)で行う事が多くなっていますが、これらのP.L.C.の出力は接点出力だけではなく、トランジスタ出力のものが多くあります。これはリレー接点の代わりをトランジスタにより行った出力で、出力の極性や状態によりオープンコレクタ出力といいます。

オープンコレクタというのは、トランジスタのコレクタ側がオープン(開放端子)になっている事からこう呼ばれている回路です。実際のP.L.C.ではオープンといってもトランジスタの保護の為の素子が付いている事が多いようです。
トランジスタには電流の流れる方向により、NPN型とPNP型の2種類がありますのでオープンコレクタ出力にも電流の方向は下図の様に2種類あります。NPNの場合は、電源のプラス側とコレクタの間に、PNPの場合はマイナス側とコレクタの間に負荷(LED等)をつなぎます。トランジスタが接点の役目をしている直流専用の無接点出力です。

しかし、実際のP.L.C.ではシンク型出力のものがほとんどで、一部にソース型出力を持つものがあります。アローシリーズ音声合成警報器やアローシリーズ電子音警報器の標準品でオープンコレクタ接続可能のものはシンク型出力の時のみ対応できます。

音声合成警報器や電子音警報器では入力回路は 内部で電源供給 を行っており、そのマイナス側をP.L.C.などの COM ( コモン ) 端子に接続するようになっていますので、 【COM:マイナス】 と表示してあります。シンク型のP.L.C.で制御可能ですが、P.L.C.のカタログや取扱説明書には使用例として上図の「NPNオープンコレクタ接続」のような結線例が書いてある事が多く、負荷(制御される製品)のコモンは 外部電源のプラス に接続されています。この場合、負荷を見て 【プラスコモン】 と呼ばれることがありますが、P.L.C.の出力がシンク型かソース型かを確認する必要があります。

 
【 漏れ電流による誤動作 】
リレー接点の場合、OFFだと全く電流は流れませんが、トランジスタの場合、OFF状態でも 僅 ( わず ) かに電流が流れます。これを漏れ電流といいます。一般のP.L.C.のオープンコレクタの場合、約0.1mA以下になっており、これだとアローシリーズ音声合成警報器、アローシリーズ電子音警報器と接続してもまず問題ありません。 しかし、SSR(無接点リレー)やサイリスタ出力ではこの漏れ電流は大きく、特に、交流用の場合は数mAも漏れ電流が流れるものがあり、この場合、誤動作の恐れがあります。  
つまり出力がONしていないのに漏れ電流だけで出力回路に接続されたものが動作してしまうわけです。
これらについては使用する前に出力の性能を確認しておく事が必要です。